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離婚を決意したときに最初にすべき10のこと

更新日:2 日前

離婚は、人生の中でも大きな決断のひとつです。心が揺れ動き、不安や葛藤が入り混じる中で、「まず何をすればいいのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

 

離婚は感情の問題であると同時に、法的・経済的・生活的な問題でもあります。後悔しない選択をするためには、冷静に一つずつ対応していくことが大切です。今回は、離婚を決意したときにまず行うべき10のステップを、実務的な観点から解説します。


1. 離婚の「理由」と「動機」を整理する

 

まず、自分がなぜ離婚を決意したのか、その理由を冷静に書き出してみましょう。感情だけで動くと、後々後悔する可能性もあります。浮気、DV、性格の不一致、経済的な問題など、客観的な事実をもとに整理することで、次に何をすべきかが見えてきます。

 

また、自分が離婚後にどのような生活を望んでいるのか、将来像も併せて考えておくとよいでしょう。


2. 証拠の確保

 

離婚協議や調停・裁判を有利に進めるためには、証拠の有無が重要です。不貞行為があった場合には、写真やLINEのやり取り、ホテルの領収書などを確保しておきましょう。DVやモラハラの場合も、録音や日記、診断書が有効です。

 

証拠は後になって簡単に入手できるものではありません。離婚を考えた段階で、できる限り早めに収集を始めることが大切です。


3. 財産と負債の状況を把握する

 

夫婦で築いた財産や借金は、離婚時に「財産分与」として問題になります。自分名義・相手名義を問わず、以下のような情報を一覧にしておきましょう。

  • 預貯金(通帳のコピー)

  • 不動産(登記簿謄本)

  • 保険(解約返戻金があるもの)

  • 株や証券

  • ローンの残高や借金の内訳

 

これらを正確に把握することで、離婚協議を進める上での土台になります。


4. 子どもに関する意向を整理する

 

未成年の子どもがいる場合、親権・監護権・養育費・面会交流など、多くの問題が生じます。「子どもにとって何が最善か」という視点を大切にしつつ、自分の意向や育児の実態を冷静に見直しましょう。

 

相手との間で意見が分かれる場合、家庭裁判所での調停が必要になることもあります。感情的な対立を避けるためにも、事前の準備は重要です。


5. 信頼できる相談相手を見つける

 

離婚は一人で抱えるには重すぎる問題です。信頼できる友人や家族に相談することで、気持ちが整理されることもあります。

 

ただし、法律的なアドバイスが必要な場合は、弁護士など専門家に相談するのがベストです。無料相談や法テラスの利用も検討してみてください。


6. 弁護士への相談を検討する

 

特に以下のようなケースでは、弁護士の力が不可欠です。

  • 相手が応じない

  • 財産分与や養育費でもめそう

  • DVやモラハラの被害がある

  • 親権を争っている

 

早い段階で弁護士に相談することで、自分に有利な状況をつくることができます。初回相談を無料で行っている事務所もあるので、気軽に利用してみましょう。


7. 別居のタイミングと住まいの確保

 

離婚を視野に入れると、まず「別居」を検討する人も多いでしょう。ただし、別居はその後の離婚条件に大きな影響を与えることがあります。

 

たとえば、子どもと一緒に別居した場合、後に親権を主張しやすくなることも。一方で、無断で出ていくと「悪意の遺棄」とされるリスクもあります。可能であれば、弁護士に相談した上で計画的に行動しましょう。


8. 離婚後の生活設計を立てる

 

離婚はゴールではなく、新しい生活のスタートです。今後の住まいや収入、子育ての計画などを立てておく必要があります。

 

特に収入面では、次のような点を検討しましょう。

  • 正社員・パートなどの就労状況

  • 公的支援(児童扶養手当など)

  • 養育費の見込み額

 

必要に応じて職業訓練や転職活動も視野に入れておきましょう。


9. 離婚の手続き方法を知る

 

離婚には以下の3つの方法があります。

  1. 協議離婚(話し合いで合意)

  2. 調停離婚(家庭裁判所を通じた調停)

  3. 裁判離婚(訴訟による決着)

 

多くの場合は協議離婚が最も簡便ですが、合意できない場合は調停や裁判に進むことになります。それぞれの手続きの流れや必要書類を事前に確認しておくと安心です。


10. 離婚協議書・公正証書の作成

 

離婚後のトラブルを防ぐためには、口約束ではなく文書での取り決めが不可欠です。養育費、財産分与、慰謝料、面会交流など、具体的な内容を盛り込んだ「離婚協議書」を作成しましょう。

 

さらに、金銭の支払いがある場合には「公正証書」にしておくと、未払い時に強制執行(差し押さえ)も可能になります。弁護士や行政書士に依頼すれば、内容のチェックや文案作成もスムーズです。


最後に:焦らず、冷静に、一歩ずつ

 

離婚は人生の大きな分岐点です。ときに辛く、感情が先走りそうになることもありますが、今後の人生をより良いものにするために、冷静に一歩ずつ進むことが大切です。

 

自分の気持ちを大切にしながら、必要な知識と準備を整えて、納得できる選択をしてください。

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