従業員とのトラブルを防ぐ会社の対応
- 弁護士 森山 大樹

- 7 日前
- 読了時間: 3分
企業経営において、従業員とのトラブルは決して珍しいものではありません。未払い残業代、解雇をめぐる紛争、ハラスメント問題など、さまざまな労務問題が発生する可能性があります。こうしたトラブルは、会社にとって時間的・経済的な負担となるだけでなく、職場環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、労務トラブルは発生してから対応するだけでなく、事前に防ぐための体制を整えることが重要です。本記事では、従業員とのトラブルを防ぐために企業が取るべき対応について解説します。
1 就業規則を整備する
労務トラブルを防ぐためには、就業規則を適切に整備することが重要です。
就業規則には、例えば次のような内容を定めることが一般的です。
・労働時間や休憩時間
・賃金の計算方法
・懲戒処分の基準
・服務規律
・休職制度
こうしたルールが明確になっていない場合、会社と従業員の認識が食い違い、紛争の原因になることがあります。
なお、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と届出が義務付けられています。
2 労働時間を適切に管理する
労務トラブルの中でも特に多いのが、残業代をめぐる紛争です。
残業代請求が発生する原因としては、
・労働時間の管理が不十分
・サービス残業が発生している
・残業のルールが曖昧
などがあります。
そのため、
・勤怠管理システムの導入
・残業申請制度の整備
・管理職による労働時間の確認
など、労働時間を客観的に管理する仕組みを整えることが重要です。
3 従業員への指導記録を残す
問題行動のある従業員に対して指導を行う場合には、指導の記録を残すことが重要です。
例えば、
・遅刻や無断欠勤
・勤務態度の問題
・業務命令違反
などについて注意や指導を行った場合、その内容を記録しておくことで、後に紛争になった際の重要な証拠となる可能性があります。
特に懲戒処分や解雇を検討する場合には、これまでの指導経過が重要になります。
4 ハラスメント防止体制を整える
近年、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントをめぐるトラブルも増えています。
企業には、ハラスメントを防止するための措置を講じる義務があります。
労働施策総合推進法では、企業に対してパワーハラスメント防止措置を講じることが義務付けられています。
例えば、
・社内相談窓口の設置
・ハラスメント研修の実施
・調査体制の整備
などが考えられます。
5 トラブルの初期段階で対応する
従業員とのトラブルは、小さな問題の段階で対応することで、大きな紛争に発展することを防ぐことができます。
例えば、
・従業員からの不満や相談を聞く
・早期に事実関係を確認する
・社内で対応方針を検討する
といった対応です。
問題を放置すると、労働審判や訴訟に発展する可能性もあります。
まとめ
従業員とのトラブルを防ぐためには、次のような対応が重要です。
就業規則を整備する
労働時間を適切に管理する
指導の記録を残す
ハラスメント防止体制を整える
トラブルの初期段階で対応する
労務トラブルは、企業にとって大きな負担となる可能性があります。日頃から労務管理体制を整え、問題が発生した場合には早い段階で専門家に相談することが、紛争の予防や早期解決につながります。
コメント